紫波総合高等学校味噌作り体験

 岩手県食の匠であり、紫波町食育パートナーとしても町内各地で活動をしている細川栄子さんを講師に紫波総合高等学校で味噌作り体験が行われました。今日体験するのはライフデザイン系列の2年生、15名です。
 細川さんは、地元の小学生や小さい子連れのお母さん、観光ツアーで訪れた方々など年間200~300人の幅広い世代へ手作り味噌の指導をしています。細川さんは産直あぐり志和で地産地消が売りの農家レストラン「あぐりちゃや」を経営しています。

 味噌は、大豆・麹・塩の3つの材料だけで作ることができます。今日は1.6キロと少量の味噌の仕込みです。この量であれば、2~3か月寝かせると食べごろを迎えます。紫波町長岡産の大豆を使用した紫波の味噌を作ります。

 三角巾と割烹着に着替えて、いざ調理室へ!
 始めにゆでた大豆をつぶします。大豆に手を伸ばした生徒たちは、「暖かい粘土みたい。」「初めての感覚!」「次はどうするの?」と初めての味噌作りに気合いが入ります。次は、粗くつぶした大豆を足で踏み、さらに細かくつぶしていきます。温かく、柔らかい不思議な感触を楽しんでいました。麹と塩をよく混ぜ、つぶした大豆と混ぜ合わせます。麹の香りは甘酒のよう。つぶした大豆と混ぜ合わせることで、麹の独特な香りは無くなりました。発酵開始のサインです。

 次は、大豆の煮汁を加えます。水分を加え柔らかい味噌に仕上げることで様々な調理方法に使いやすい味噌になると教えてくださいました。しっかりと混ぜ合わせるとすでに味噌の面影があります。味見をしてみてと細川さん。指先に少量とると「ん~!しょっぱい!」「コクの無い味噌だ!」とつぶして混ぜるだけで簡単に出来上がる味噌の工程に驚きの様子です。空気を入れないようにしっかりと縛り、おもりを付けて寝かせます。各グループで味噌に名前を付けて、出来上がりに胸を弾ませていました。

 手作り味噌を作ったら、一番に作って欲しい料理は「豚汁」と細川さんが説明してくれました。「野菜や豚の出汁や旨味を味噌が引き出してくれる。化学調味料を使わないことによる食材本来の旨味を感じて欲しい。」という手作り味噌にこだわりを持つ細川さんの想いから今日作った約6キロの味噌は10月に予定されている文化祭で「豚汁」として振舞いが予定されています。各グループで豆の大きさや味噌の固さに個性がある味噌を味わってみてはいかがですか?

 今日体験をした女子生徒は「初めて味噌作りを体験しました。家では市販の味噌を使っているけど、簡単にできるのでチャレンジしたい。今日はありがとうございました。」とお礼を伝えていました。

 食に関する学習をしている生徒たちは、細川さんの食に関する様々な想いを聴き、今後の学習への意欲を高めていました。
 今後も岩手県食の匠、紫波町食育パートナーの活動の様子を発信していきます。